令和6年9月小平市議会定例会にて一般質問を行いました

令和6年9月3日から30日の28日間の日程で、令和6年9月小平市議会 定例会が開催されています。

9月4日に一般質問(各定例会において、議員が市の施策の状況や方針などについて、報告、説明を求めたり、質問や提言をすることを一般質問といいます。)で登壇しました。

NEXT GIGAに向け教育DXの推進を

1件目は「教育」について。

「世界一質の高い公教育をこの小平で実現したい。」その想いを持って、教育環境の刷新に力を入れています。昨年6月、議員になって初めての定例会で、個別最適な教育の実現に向けた学習ログの活用等の一般質問、また昨年12月定例会での、AI時代の教育についての一般質問に続き、今回はNEXT GIGAに向けた教育DXの推進について取り上げなました。

2019年12月に文部科学省が打ち出したGIGAスクール構想により、児童・生徒向けに1人1台の端末と、通信ネットワークを一体的に整備し、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのなく、公正に個別最適化された創造性を育む教育を、全国の学校現場で持続的に実現させる構想のこと。新型コロナウイルス感染拡大による影響を受け、2020年度から2021年度にかけて端末の整備等が進められ小・中学校における学習環境が大きく変わりつつあります。

GIGAスクール構想の基本は「1人1台端末」「高速ネットワーク」「安全なクラウド活用」によって、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させること等を目指すものであると考えています。その実現にはネットワーク整備や、教育情報セキュリティ対策、教育や校務での真のデジタル活用が重要な課題となります。現状の端末を更新するタイミングであるGIGAスクール構想第2期(NEXT GIGA)を迎えるにあたり、教育DXを戦略的に進める必要があると考え、以下の質問をしました。

本年4月に文部科学省により公開された「教育DXに係る当面のKPI(重要業績評価指標)」について、本市における対応状況は。またKPIの達成に向けた今後の取組について伺う。

教育DXにかかる当面のKPIとして、ハード面、ソフト面にかかるインプットのKPIと、個別最適・協働的な学びの充実、情報活用能力の向上などのアウトカムのKPIが公表されたことは、承知しているが。現在のところ、KPIの達成に向けた具体的な施策が国から示されていないことから、国の動向を注視していく。

ネットワーク整備に関して、本年4月に文部科学省により「当面の推奨帯域(ネットワークのスピードを示す指標)」について学校規模ごとに設定、公表された。本市における「当面の推奨帯域」への対応状況と、今後の整備計画については。

これまでもネットワーク環境アセスメントに基づき、ネットワークの改善を図ってまいりましたが、国の示す当面の推奨帯域を満たす状況ではない。現在のところ具体的な整備計画はないが、引き続きネットワーク環境の改善に努めていく。

教育情報セキュリティポリシーの策定に関する現状と今後の計画について伺う。

本年1月に文部科学省が、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインを改訂したことから、現在、市においても策定に向けて検討を進めている。

教育DXの推進においては、教育CIO及び補佐官の登用や、外部・民間人材の活用等、推進体制の強化が必要であると考えるが、見解を伺う。

教育CIO及び同補佐官の登用につきましては、その必要性について研究する必要があるため、現在のところ考えていないが、他自治体の先行事例等の情報収集に努める。


再質問では、市長部局と連携した教育委員会のデジタル活用(DX)や体制作り、しっかりとした予算措置による早期のネットワーク環境改善等を要望しました。本年5月に、文部科学省の中央教育審議会の特別部会は、審議のまとめとして、教員の給与増をはじめとする、多岐にわたる対策案等、教員確保のための環境整備に関する総合的な方策を打ち出しました。教育DXをはじめ、教員の働きかた改革を推進することが、児童・生徒の学びの環境を良くすることにもつながるとの考え、今後も提言等を行なっていきます。


データセンターや通技術等のデジタルインフラの誘致戦略について

大きな2件目は、データセンターや次世代通信技術等の誘致について取り上げました。

AIやIoT等、デジタル化の進展により、行政・医療・教育・交通・農業等、様々な分野でのデータ活用による課題解決や、新規ビジネスの創出等、社会・産業にこれまで以上の変革をもたらされつつあります。データセンターや次世代通信技術等のデジタルインフラの需要が高まっており、府中市、三鷹市、西東京市等の近隣市を含め、現在各地でデータセンターの誘致、開設が進み、新たな税収源とそれによる地域経済の活性化が期待されています。データセンター等の整備・誘致をはじめ、デジタルインフラの整備は、企業誘致や創業等にもつながる現在の経済環境において重要な戦略であり、Society 5.0に向けたまちづくりにおいても重要な課題であると考え、以下質問しました。    

市として、データセンターの整備・誘致について、メリットを含めどのように捉えているか。見解を伺う。

一般的には、新たなデジタルインフラ整備に伴う関連事業所の集積、関連人材の流入のほか、地域の経済活動の活性化や税収の増につながる可能性が考えられます。

データセンターや次世代通信等のデジタルインフラの整備・誘致を想定した場合、地盤の強度を含めた、災害リスクや電力供給等、市として立地条件としての評価は。見解を伺う。

小平市は、都心から26キロメートルの距離に位置し、市域全体が武蔵野台地にある高低差の少ない平坦な地形であり、大きな河川はない。立川断層帯での地震発生のリスクは想定されますが、水害発生のリスクは比較的低いと想定される。

データセンターの整備について、トップセールスでの誘致等は検討したか。取組について伺う。

トップセールスによる誘致等は、これまでに検討を行ったことはない。先日、市内においてデータセンターの設置を目的とする土地利用構想の届出があった。

エッジデータセンターは、設置面積が小さく、利用者の近くに設置されることでデータ通信時の通信遅延を解消できるなどのメリットがある。エッジデータセンターの整備・誘致は、本市のような都市型の企業誘致や創業等において有効な手段と考えるが、市の見解を伺う。

利用者の近くで稼働し、遅延が少ないエッジデータセンターの利用は、幅広い分野で活用が期待されており、その普及は、将来的にスマートシティーの推進に寄与する可能性がある。現時点で、エッジデータセンターの誘致・整備の予定はないが、都市型の企業誘致や創業等においては、有効な手段の一つであると認識している。

データセンターや通信技術等、デジタルインフラの整備・誘致においては専門的な知見の集積や体制整備が必要であると考える。産学官連携や官民プロジェクトでの取組が必要であると考えるが、市の見解を伺う。
現在、デジタル化している指定文化財はないが、引き続き研究していく。

誘致に向けて専門的な知見の集積が必要となることは認識しているが、現時点で、体制整備や誘致 及び産学官連携や官民プロジェクトでの取組の予定はない。今後、他自治体の事例等の把握に努め、情報収集を行っていく。

持続可能な財政運営のためには、安定的な税収が不可欠です。企業誘致や創業支援により、法人市民税の確保が有効な戦略であると考えます。今回、私が着目したのがデータセンターの誘致です。データセンターの建設によって10年以上にわたって投資が行われることが考えられ、ストック的な収益が見込まれます。千葉県の印西市はデータセンター誘致で成功した例ですが、そのためには、印西市長がデータセンター誘致の前に、電力供給に関する誘致を行なっていたとの話もあり、本市においても、トップセールスでの誘致を求めました。

大切なのは、10年20年先の小平の在り方、ビジョンであり、どのようなまちづくりをしたいかという戦略の上に、戦術的な誘致が可能です。用途地域の変更等も含め、今後もビジョンを持った政策提言を行なって参ります。


今回の一般質問の内容は、議会Webサイトから動画でご覧いただけます。

シェアはこちら
  • URLをコピーしました!
目次