「2040年を見据えたDX推進」と「こども食堂・誰でも食堂支援」について質問しました #令和7年6月定例会報告

小平市議会では、令和7年(2025年)6月3日から27日までの日程で、小平市議会6月定例会が開催されています。その中で、6月4日から3日間にわたり実施された「一般質問」では、各議員が1時間の持ち時間の中で市政に関する質問や提言を行いました。
今回、私は
① 2040年を見据えたデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進
② こども食堂や誰でも食堂などの支援

について質問しました。

2040年を見据えたDX推進とデジタル行政の再設計に向けて

少子高齢化の進行に伴う税収の減少、職員の大量退職、そして多様化・複雑化する住民ニーズ。こうした、いわゆる「2040年問題」への対応が、自治体にとって喫緊の課題となっています。もはや、これまでの延長線上にある行政運営では立ち行かず、抜本的な見直しが求められていると言えるでしょう。

その解決の鍵のひとつが、デジタルトランスフォーメーション(DX)です。これまで私も議会の場で、AIやデータ活用による業務効率化や、住民サービスの質の向上といった視点から、本市のDXの在り方について繰り返し取り上げてきました。

そうした中、2024年3月に公表された「小平市第2期経営方針推進プログラム」において、DXが重点施策として明記されました。さらに、今年度(2025年度)は「DXの飛躍の年」と位置づけられています。

これらを踏まえ、2040年を見据えた本市のDX推進の方向性や、デジタル行政の今後の展開について、改めて質問しました。

① DX推進体制の強化について

副市長の2人体制に伴い、東京都出身の副市長をCIOに任命し、都との連携によるDX施策の推進を図る。デジタル政策参与は、若手職員による「DX推進リーダー」の活動を中心に支援。推進担当職員も1名増員し、体制の強化を行った。

② DXビジョンの策定について

DXビジョンは第2期経営方針推進プログラムにおける重点施策として位置づけ、2040年の市役所像を起点に、2035年・2030年の到達点をバックキャストで検討中。若手職員10人が中心となって策定を進めている。市民や事業者の意見を反映する仕組みは設けていないが、デジタル政策参与の助言を受けながら進行している。

③ AIを活用した市民意見の収集について

AIを活用した市民意見の分析事例については注視しているが、誤認識や誘導の懸念があるため、慎重に検討を進めている。他自治体の事例を参考に、意見収集と政策反映の新たな手法の研究を続ける。

アナログ規制の見直し・住民サービスの改善

アナログ規制の洗い出しは国のマニュアルを参考にしつつ、今後検討を行う。LINEやLoGoフォームを活用した非対面サービスの導入や、コンビニ交付などによる多様な住民接点を整備。サービスデザイン研修も活用し、今後はユーザーアンケート等を通じたサービス改善を進める。


DXは、単なる業務効率化の手段ではありません。変化し続ける社会の中で、自治体が持続可能であり続けるための「行政の再設計」そのものだと考えています。

今回の質問では、2040年問題を乗り越えるために、今なすべき「変革」としてのDXの視点を市に投げかけました。システム導入や業務改善にとどまらず、組織文化や意思決定プロセスそのものを見直す必要があります。

そして、「未来のまちづくりは、誰か一人のアイデアではつくれない」。そんな思いを持ちながら、DXビジョンの策定や、行政サービスにおける市民との共創について強く要望しました。

デジタル化というと難しく聞こえるかもしれませんが、本質は「誰も取り残さない行政」にシフトしていくこと。たとえば、窓口での待ち時間が短くなったり、スマホで手続きができるようになったり――そうした小さな変化の積み重ねが、大きな改革につながるはずです。

行政だけでなく、市民や地域の声を取り入れながら、これからのDXを進めていくことが大切だと改めて感じました。皆さんの声が、これからの行政を動かす力になります。引き続き、職員・市民双方にとって実感のあるDX推進が進むよう、注視しながら提言を続けていきます。


こども食堂・誰でも食堂への支援施策について

大きな2件目は、こども食堂・誰でも食堂への支援について取り上げました。

「こども食堂」や「誰でも食堂」は、単に食事を提供する場ではなく、地域の見守りや居場所づくり、多世代が交流する拠点として、大きな役割を果たしています。

こどもを中心に、ひとり暮らしの高齢者や子育て中の保護者など、さまざまな人が気軽につながれる、“地域のインフラ”とも言える存在になりつつあります。

小平市内でも、複数の団体がこうした活動を自主的に展開していますが、近年は物価やエネルギー価格の高騰、活動拠点の確保の難しさなど、継続的な運営には多くの課題があります。また、担い手の方々に大きな負担がかかっている現状も見えてきました。

実際に、現場からは「行政による継続的・制度的な支援を求める声」も多く届いています。こうした状況を踏まえ、私は6月定例会において、こども食堂・誰でも食堂の活動支援のあり方や、行政としての今後の対応方針について、市に質問しました。

こども食堂・誰でも食堂の意義と支援

こども食堂は、子どもが安心して過ごせる場であり、地域のつながりを支える重要な役割を担っていると認識している。これまでは自主性を尊重し、側面的支援にとどめてきたが、物価高騰等の社会情勢を受け、現在策定中の「小平市こども計画(仮称)」の中で支援のあり方を改めて整理する。

② 公共施設の活用と拠点づくり

これまでも公民館を開催場所として提供するなど、場所の確保に協力してきた。今後も学校や整備予定の複合施設を含め、公共施設を活用した拠点づくりを側面的に支援する。


私自身、議員になる前から、こども食堂のサポーターとして活動してきました。そこには、「たとえ貧困などの事情があっても、誰もが学ぶことを諦めなくて済む社会をつくりたい」という強い思いがあります。少しでも社会課題の解決につながればとの願いから、関わりを続けてきました。

こども食堂や誰でも食堂は、単なる貧困対策にとどまらず、地域のつながりや見守りの拠点として、非常に重要な役割を果たしています。そして今、物価高騰や拠点の確保といった課題のなかで、多くの団体が懸命に活動を続けています。だからこそ、地域の担い手の努力だけに任せるのではなく、行政としても積極的に支援の手を差し伸べる必要があると考え、今回の質問に至りました。

こども食堂や誰でも食堂の運営をはじめとする社会課題への対応は、ボランティアの善意に委ねるだけではなく、必要に応じて行政が責任を持って取り組むべきものです。また、行政・地域団体・企業・市民など、多様な主体が共通の目標のもとに連携し、それぞれの強みを活かして課題解決に取り組む「コレクティブインパクト」のアプローチも重要だと考えています。そして「そもそも、こうした支援がなくても、誰もが安心して暮らせる社会こそを目指すべきではないか」という声もいただいており、私自身もその考えに大きな意義を感じています。

政治家として、何かが起きてから対応するのではなく、そもそも問題が起こらないような社会の仕組みをつくることが大切だと考えています。それは理想かもしれませんが、目の前にある問題の背後にある構造的な課題にしっかり向き合い、少しずつでも前に進んでいきたい。これからも、そうした姿勢を大切にしながら、地道に取り組んでまいります。

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