地域の食卓を守る。こども食堂・誰でも食堂をどう支えるか

令和7年(2025年)6月定例会 一般質問「こども食堂や誰でも食堂の継続的な活動を支える支援施策について」レポート


このレポートの要約

令和7年6月定例会では、小平市内で広がるこども食堂・誰でも食堂の活動を継続的に支えるための制度的支援を問いました。

  • こども食堂の役割と評価:食事の提供にとどまらず、地域の見守り・居場所づくり・多世代交流の拠点として機能していることを確認し、行政としての積極的な関与を求めた
  • 財政支援・補助制度の方向性:近隣市の先進事例を示しながら、物価高騰対応を含む運営費補助の早期実現を訴えた
  • 食材マッチングの仕組みづくり:学校給食の余剰食材活用にとどまらず、食材を必要とする団体とつなぐマッチングの仕組みを提言した
  • 公共施設を活かした拠点整備:予約が取りにくい・調理設備が不十分といった現場の声を届け、公共施設の積極的な活用を求めた

目次

はじめに:「続けたい」という声に、行政が応える番だ

こども食堂・誰でも食堂は、単なる食事提供の場ではありません。経済的に困難な状況にあるこどもたちへの支援、独り暮らしの高齢者の居場所、子育て中の保護者の交流——地域のインフラとして、複合的な役割を担っています。

しかし現場では、物価高騰による食材費の上昇、光熱費の増加、拠点確保の難しさ、担い手の高齢化と後継者不足など、活動を続けることへのハードルが高まっています。「やりたいんだけれど、続けられるか不安」「新たに始めたいが、どこでやればいいか分からない」——そんな声を日頃から多く受け取ってきました。

2040年問題を見据えれば、行政だけでは地域課題を解決できない時代が来ます。こども食堂のような民間の自発的な活動こそが、地域の支え合いの核となります。だからこそ今、行政が側面的な支援を超えて、制度的なバックアップに踏み出すべきだと考え、令和7年6月定例会で質問に立ちました。


質問①:こども食堂を、行政はどう評価しているか

まず市の認識を確認しました。

答弁では「経済的な理由や家庭の状況により十分な食事が得られないこどもたちに食事を提供するだけでなく、安心して過ごせる場所や地域住民との交流など、地域のつながりをつくる上で大変重要な役割を果たしている」と、こども食堂の意義を明確に認める答弁が示されました。

評価はしている。ならば、次は具体的な支援です。


質問②:補助制度を、今すぐ動かせないか

小金井市・立川市など近隣市では、東京都のこども食堂推進事業の補助金を活用した支援を実施しています。東村山市では令和7年度から、国の物価高騰対策重点支援地方創生臨時交付金を活用し、1食あたり100円の補助を開始しました。

小平市のこれまでの答弁は「側面的な支援」にとどまるものでしたが、今回は「物価高騰等の社会経済情勢を踏まえ、市としての関わり方を改めて検討する必要がある」との認識が示され、仮称小平市こども計画の策定の中で支援の方向性を整理するとの答弁がありました。

しかし「整理を待っている間」にも、現場は困っています。米の価格をはじめ食材費は高騰し続けており、臨時的な物価高対策補助を本年度中に実施できないかを直接問いました。答弁では「臨時的な支援については検討していない」とのことでしたが、「今後引き続き検討が必要」との見解も示されました。


質問③:余った食材を、必要な場所へ

国立市などでは、学校の学級閉鎖時に使えなくなった給食食材をこども食堂等の非営利団体に提供する仕組みを構築しています。小平市でも同様のスキームを構築できないか問いました。

答弁では「現状、学級閉鎖が前日までに決まった場合は発注量を減らしており、変更できない食材は他のクラスで使い切っているため、こども食堂への提供は考えていない」とのことでした。

ただ、この質問で伝えたかった本質は給食食材に限りません。農家・事業者・市民から「食材を提供したい」という声がある一方、「どこに届ければいいか分からない」という声もある。こども食堂側も「開催直前に急に食材が来ても対応できない」という現実があります。こういった食材の需給をつなぐマッチングの仕組みを小平市社会福祉協議会とも連携しながら強化していくことを求めました。


質問④:公共施設を、もっと使いやすく

東京都の調査によれば、こども食堂の開催場所として集会所・公民館・児童館などの公共施設が最も多く(33.6%)利用されています。しかし現場からは「予約が取れない」「調理設備が使えない」「人を迎えるには狭すぎる」という声が届いています。

今後整備される複合施設や地区交流センターも含め、こどもの居場所・こども食堂の拠点として活用できるよう、設計段階から市民のビジョンと使い方を取り込んで整備を進めるべきだと訴えました。

答弁では「公民館の利用に協力してきた。学校や今後整備予定の複合施設を含め、側面的な支援に努める」との見解が示されました。


この質問のその後

論点(2025年6月の質問)当時その後
運営費・物価高騰への補助「臨時的な支援は検討していない」令和7年9月補正予算第3号でこども食堂への補助金が実現。令和8年度も物価高騰対策の補助が継続決定
食材マッチングの仕組み社会福祉協議会経由で対応中引き続き追跡中
公共施設の拠点整備側面的支援を継続引き続き追跡中

出典:令和7年度小平市一般会計補正予算第3号、令和8年度小平市一般会計予算


「側面的な支援にとどめる」という長年の姿勢が、ついて動き始めました。令和7年9月の補正予算でこども食堂への補助金が実現し、令和8年度も継続されることが決まっています。

これは、現場で活動を続けてきた皆さんの声が、議会を通じて行政を動かした結果です。しかしこれはゴールではありません。食材確保・拠点整備・担い手育成——こども食堂が地域のインフラとして根付くために、引き続き支援の拡充を求め続けます。

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